イントロダクション

あの『戦場でワルツを』で、自らの戦争体験をドキュメンタリーアニメーションとして描き、世界を震撼させ、アカデミー外国語映画賞®にノミネートもされたフォルマン監督。今作では、『惑星ソラリス』の原作「ソラリスの陽のもとに」で知られるSF界の巨星レムの「泰平ヨンの未来学会議」を映画化した。フォルマン監督は、映画の舞台を近未来のハリウッドに設定し、荒唐無稽なレムのSF小説の世界をアニメーションと実写を駆使したダイナミックで独創的な表現で映像化。観る者すべてを魅了する。
また今回、主演であり本作のプロデューサーとしても名を連ねるロビン・ライト(『フォレスト・ガンプ/一期一会』)は、ハリウッドで一躍脚光を浴びた女優が齢をかさね、母として役者として生きぬく本人役で出演している。他にも、名優ハーヴェイ・カイテルや躍進めざましいゴディ・スミット=マクフィー(『モールス』『猿の惑星:新世紀』)らが脇を固め、イマジネーション溢れる本作に確かな輪郭をあたえている。

ハリウッドを舞台にした本作を製作したのはアメリカではなく、ドイツ、フランス、英国、ポーランド、ベルギー、ルクセンブルグ、イスラエルである。アニメーション部分は、『戦場でワルツを』のスタッフが集結し、1分あたり1200枚、合計60,000枚以上もの線画を描き、前作とは違った手法で作り上げた。細部に渡って意味をもつ映像には、監督ならではのユーモアがそこかしこに散りばめられている。一見すると懐古的でキッチュなスタイル本作のアニメーションは、1930年代に『ポパイ』、『ベティ・ブープ』、 最初の『スーパーマン』といった名作を生み出したフライシャー兄弟のへのオマージュである。